ちゅんちゅんDEギャン突き

これは、ナンパ未経験の状態で、タイ・バンコクからPUA(ピックアップアーティスト)を目指し、奮闘する男の物語である。

愛嬌の良い美人(前半)

これは、ナンパ未経験の状態で、タイ・バンコクからPUA(ピックアップアーティスト)を目指し、奮闘する男の物語である。

 

2017年2月某日

 

ナンパを始めようと決めてから、初めてのアポを迎える。

 

相手はタイ人。

 

臆面もなく言うと、ストナン経由ではなくネトナン(Tinder)経由のアポである。

 

写真上ではちゅんの好みどストレートを行く案件であるが、「実際との落差が激しいことがままある」というのはネトナン経験者の間ではよく聞く話だ。

 

さらにタイ人あるあるなのが、大幅な遅刻orドタキャンである。この日も例に漏れず、20:00の約束だったのが30分待たされる。

 

たった一週間前までナンパのナの字も知らなかった、いや、今でさえ知らない自分が、いきなり即を狙えるのか?

 

こんなにドキドキするのは久しぶりだ。相手から待ち合わせの場所の指定も来る。

J Avenue (Thong Lo 15)前での待ち合わせ。

 

そわそわした面持ちで待ちながら、今日の動線を頭の中でなぞる。

ディナーは1時間目安に、ハンドテストから2軒目はルーフトップバー、そしてホテル即。

呪文のように唱える。

 

待っていると道路の向こう側から、艶やかな黒髪の美人が颯爽と現れる。

コツコツとヒールの音が今にも聞こえてきそうなぐらい、爽やかな歩き方だ。

 

「ごめん、待った?」

 

人懐っこい笑顔を浮かべながら、彼女は語りかけてくる。

 

ちゅんはその一瞬で「あ、今日いけるかもしんない」と直感する。

 

女のデータは以下。

・26歳。

・有名高級スパマッサージ店の経理・受付担当。仕事はハード。

・タイ北部の有名大学・薬学部を卒業。

・ストレートヘアー。くっきりした顔立ち、綺麗な褐色肌の美人。

・身長151cm。推定Bカップ。

・笑顔がチャーミング。性格も人懐っこい。

・彼氏なし。2年前の誕生日(11月30日)にフラれて以降、1年3か月彼氏なし。

・写真も可愛かったけど、実際も可愛かった。

 

普段、Thong Loは全く来ないため、一応相手に行きたいところを聞いてみる。

 

すると、道をはさんだ向かいにある日本居酒屋「なぎや」がいいという。

 

とりあえず道路を渡る。渡るついでにハンドテストもいきなりやってみる。

 

声は上ずっていないか?緊張が態度に出ていないか?

超ドキドキ、だってこれが意識して行う人生初のハンドテストだもの。

 

女からは「え?」という戸惑いを感じられた。

とりあえず渡り切ったらすぐ店なので、手を放す。何で手を放すんじゃい。ちゅん。

 

そして店に入ろうとしたところ、ここは居酒屋ということを思い出す。女に聞くと、ゆっくりここで飲みながら過ごしたいらしい。

 

これじゃあ即れない。相手の得意な土俵だから。

ちゅんはThong Loエリアにある噂のルーフトップバー「OCTAVE」に行きたいことを伝え、その前にサクッとごはんを食べようと打診。

 

「いいわよ」と女。

 

どの店でディナーをとるのか決めていなかったちゅん。いきなり一軒目からグダグダするちゅん。ほんとヘタレ。

 

ルーフトップバー至近距離に中華系タイ料理レストラン「See Fah」があったので、そこにタクシー移動。

 

女のテンションは!?良かった、まだ無事だ。

 

ディナーではお互いの身の上話をしながらさくさくと箸を進める。

 

1時間ほどで退店。

再度ハンドテスト⇒2軒目のルーフトップバー打診⇒OK。

 

正直言うと手を繋いだ時点でかなり舞い上がっていた。

青写真通りに計画が進む楽しさと、彼女自身の人間としての魅力に魅せられていたからだ。

 

そして彼女はやや警戒している。

「日本人の男って、あんまり信用できないのよね」

「ほら、まだ会ったばかりなのに気付いたら手も握ってるし、腰にだって手を回してる」

 

ちゅんはエクスタシーを感じる。

 

これが、敬愛するPUAの先輩方のブログで数えきれないほど見てきた「形式グダ」かと。

 

ちゅんは女の手を握りながら言い放つ。「嫌なら帰れば?」

 

女はもちろん帰るわけもなく、「ふふっ」と笑いながら、ルーフトップバー到着。時間は22:00。

 

2軒目にルーフトップバーの流れも、自分が大好きなPUAの先輩が推奨していたものだ。

 

もちろんちゅんにとっては人生初。

 

エレベーターを45階までギュンギュン上がり、屋外フロアに出る。

 

眼前に広がる素晴らしい夜景に圧倒される。

 

さあ、ここからどんどん攻めていこう。

 

お互いドリンクを注文してからソファー席に横並び。

 

相手の恋愛観(過去の恋愛、好きな男性像など)から人生観までどんどん引き出し、コイバナも仕事系の話もたくさんして、相手の心が解れてくるのを感じる。

 

そして徐々に密着しながら、現状持ちうるあらゆるボキャブラリーを駆使して、甘い言葉を囁き続ける。

 

ある瞬間から、彼女の目の色が変わる。

 

その目はちゅんを求めている。

 

手にキス、鼻をくっつけるところまではノーグダ、そしてキスまでいこうとするとキスグダが発生する。

 

 

「ちゅんが私に何を求めているのかはっきりさせて頂戴。友達が欲しいの?それとも恋人がほしいの?」

 

 

いきなり切り出される。

ちゅんはPUAになりたい。そしてその過程において女の子に嘘をつきたくはない。

嘘をついたという事実が自身のパフォーマンスに影を落とすのが怖いから。

 

「君と友達になりたいのか、恋人になりたいのか、実は俺も良く分からないんだ。ただ一つ自信をもって言えるのは、君はとてもチャーミングで魅力的で、俺はもう君の虜になっている、っていうことだけだよ」

 

こんな陳腐な言い回しも、ルーフトップバーという最高なロケーションの下では殺し文句に聞こえるのだろう。

 

女はちゅんの拙いキスに応じてくれた。

 

しかしそれ以上は許してくれない。グダだ。

 

そして次々と並べ立てられるグダを、ちゅんは崩せなかった。

 

女「夜一緒にいるのは次回でもいいじゃない」

 

ちゅん「次でもいいなら、別に今日でもいいよね?」

 

女「私、ちゅんは本気になってないと思うし、しかもチャラいわ」

 

ちゅん「俺は本気だよ?」

 

女「ちゅんは私と寝たいっていうけど、私はこういうことには慎重であるべきだと思うし、もっと時間を使って仲を深めるべきだと思うわ」

 

ちゅん「これは男と女の間の考え方の違いだと思う。君の意見も確かに正しい。でも男の95%以上は、第一印象で「この子を抱きたいかどうか」っていう直感的な判断をしてる。例えば最初会った時点で「自分の気持ちも含めてどうなるか分からないから、様子を見てみよう」という判断をした場合は、ほぼ、うまくいかないんだよ。そして俺は君に会った時、「この子だ!」って思ったし、もうメロメロになってる」

 

 

終わりのない攻防の末、タイムアップ。ちゅんは即を諦めた。

 

しかしちゅんは気づいたことがある。

 

女は本当にちゅんと寝ることを嫌がっているわけではない。こんな攻防も、ずっとソファーで抱き合いながら、甘い声と目線で囁き合いながら繰り広げられていたのだから。

 

ちょうどちゅんは数日後に引っ越しを控えていたので、そこで準即につなげる可能性を残し、放流。時刻は25:00。

 

ナンパはかくも奥深いものなのか。即れなかった結果に対する情けなさと、初アポで良いところまでイケた高揚感がない交ぜになった気分に浸りながら、帰路に就く。

 

 

反省点は以下。

 

・全体的に時間を使いすぎた。

・まずディナー決めの時点で若干グダグダしたので、スマートに行きたかった。そこだけで30分のロス。

⇒事前のやりとりの中である程度こちらがどこに行きたいのか、前以て伝える。この日の場合だと 「ルーフトップバーに行きたい」という希望をあらかじめ伝える。

・ルーフトップバーでも時間を使いすぎた。2軒目に着いた1時間後ぐらいにはホテル打診を済ますべきだった。

⇒密着テストからキスまでに時間を使いすぎたので、もっとスピードを意識したい。2軒目到着して15分のトーク後、どこまでいけるか。

・「セックスのために君と付き合いたくはないし、だからと言ってただの友人関係は嫌だ、でもセックスはしたい」というこちらの心理を、相手にグダられた時の返しとして相手にどう伝えればいいのか分からなくて、現状「君と恋人になりたい」という体になってしまっている。

⇒グダの崩し方を体系的に勉強する必要あり。さらに言うならば、たくさん話して何時間も体を密着させながら髪を梳いたりキスしたりした時点でちゅんも女も満足してしまった部分があった。ちゅんのボビたんはこの時点ではち切れんばかりにおっきっきして、幸せを感じていた。驕るべからず。最終目標は常にPU。

・目力の弱さ。目を見つめるだけで、「俺はお前を今夜抱きたいんだ」と相手に感じさせるぐらいの情熱的なまなざしが欲しい。

・全体的に押し引きが足りず、押せ押せGOGO状態になってしまっていた。